余事象
“「少なくとも1つ」なら、1から「まったくない」を引く。”
数式
P(Aᶜ) = 1 − P(A)読み方: Aが起こらない確率は、1からAが起こる確率を引いたもの
- A
- — ある事象
- Aᶜ
- — Aが起こらない事象(その余事象)
- 1 − P(A)
- — 全確率1からAが起こる確率を引いたもの
きっかけ
「少なくとも1つ」のような直接数えるのが面倒な確率も、ひっくり返せば1マイナス「まったくない」で一瞬で解けることが多い。
やさしく言うと
あることが起こらない確率は、全確率1からそれが起こる確率を引いたものです。
直感
起こることと起こらないことを合わせると常に100%(=1)になります。2つの部分で円全体を埋めるので、一方がわかればもう一方は1から引くだけです。
どう作られるか
事象Aとその余事象Aᶜは決して重ならず(両方同時には起こらない)、合わせるとすべてを覆います。だからP(A)+P(Aᶜ)=1、式を変形するとP(Aᶜ)=1−P(A)です。
例
コインを3回投げて「少なくとも1回表」が出る確率:余事象は「すべて裏」で1/8。だから1 − 1/8 = 7/8。
よくある誤解
余事象は「Aより小さい」ものではなく、「A以外のすべて」です。「少なくとも1回」の反対は「多くとも1回」ではなく「まったくない」です。
どこで使うか
「少なくとも〜」「少なくとも1回」の問題はほぼ常に余事象を使うほうが速いです。多くの試行で成功と失敗を入れ替える場面で特に威力を発揮します。
どこから来たか
起こることと起こらないことの和が1になるという考え方は、確率論の初期に、全体を1として持ち分に分けるという発想から自然に生まれました。
前提概念
確認問題
明日雨が降る確率が0.3のとき、雨が降らない確率はいくつですか?
- 0.3
- 0.5
- 0.7✓
- 1
練習
ある事象の確率が0.25のとき、それが起こらない確率はいくつですか?
答え: 0.75
- P(起こる) = 0.25
- 1 − 0.25 = 0.75
ポイント: P(起こらない) = 1 − P(起こる)。
サイコロを1回振って、1が出ない確率はいくつですか?
答え: 3
- P(1が出る) = 1/6
- 1 − 1/6 = 5/6
ポイント: 「〜ない」は余事象——1から引く。
余事象を使って、コインを2回投げて「少なくとも1回表」が出る確率を求めなさい。
答え: undefined
- 余事象「すべて裏」= 1/4
- 1 − 1/4 = 3/4
ポイント: 「少なくとも1つ」は、反対(「まったくない」)を数えるほうが速い。