べき乗の微分公式
“べき乗則:前に下ろして、1減らす。”
数式
d/dx xⁿ = n·xⁿ⁻¹読み方: xⁿ を微分するには、指数 n を前に下ろし、指数を1減らす
- n
- — べき乗の指数
- d/dx
- — 「x について微分する」ことを表す記号
- xⁿ⁻¹
- — 指数が1減ったべき乗
きっかけ
毎回極限の定義を回す必要はありません——べき乗なら「前に下ろして、1減らす」の一手で済みます。
やさしく言うと
xⁿ の傾きの関数は、前に指数 n をかけて、指数を n−1 に下げたものです。
直感
指数が大きいほど、曲線は急に上っていきます。微分すると、その「上る速さ(n)」を前に引き出し、次数を一段階下げて傾きの形にします。
どう作られるか
動きは二つだけ——①指数を係数として前に下ろす、②指数から1を引く。この法則は、x³、x⁴…と極限の定義を実際に計算したときに現れるパターンを、まとめただけのものです。
例
x⁵ を微分:指数5が前に下りて、指数は4になる → 5x⁴。x=1 では傾きは5です。
よくある誤解
指数から1を引くのを忘れがちです。また、定数の微分は0——定数は n=0 の x⁰ なので、前に出る係数が0になります。
どこで使うか
多項式の微分は基本的に、この法則を項ごとに当てはめるだけです。物理学や経済学のモデルの多くは多項式なので、日常的に使うことになります。
どこから来たか
ニュートンは (1+h)ⁿ を二項定理で展開することで、このパターンを見出しました。後に、有理数や実数の指数でも成り立つことが示されました。
前提概念
確認問題
x⁶ の導関数はどれですか?
- 6x⁵✓
- 6x⁷
- x⁵
- 5x⁶
練習
f(x)=x⁴ の x=2 における導関数の値はいくつですか?
答え: 32
- f'(x)=4x³
- x=2 を代入 → 4·8 = 32
ポイント: 前に下ろして、1減らして、それから代入するだけ。
f(x)=x²+x³ の x=1 における導関数の値はいくつですか?(項ごとに)
答え: 5
- f'(x)=2x+3x²
- x=1 を代入 → 2 + 3 = 5
ポイント: 和の導関数は、各項を微分してから足したものです。
f(x)=5x² を微分し、x=3 を代入しましょう。
答え: 30
- 定数5はそのままついてくる:f'(x)=5·2x=10x
- x=3 を代入 → 30
ポイント: 定数係数は、微分をそのまま通り抜けます。