内積と外積
“内積は「どれだけ揃っているか」(数)、外積は「何に垂直か」(ベクトル)です。”
数式
a·b = a₁b₁ + a₂b₂ + a₃b₃ = |a||b|cosθ; |a×b| = |a||b|sinθ読み方: 内積は2つのベクトルがどれだけ揃っているかを数で測り、外積は両方に垂直な新しいベクトルを作る
- a·b
- — 内積——結果は数(スカラー)、「どれだけ揃っているか」
- a×b
- — 外積——結果はベクトル、「両方に垂直な方向」
- θ
- — 2つのベクトルの間の角度
きっかけ
ベクトルの掛け算には2通りあります——一つは「どれだけ同じ方向を向いているか」を問う内積、もう一つは「両方に垂直な方向は何か」を問う外積です。
やさしく言うと
内積a・bは2つのベクトルがどれだけ揃っているかを表す一つの数です。外積a×bは、2つのベクトルが張る平面に垂直に立つ新しいベクトルです。
直感
内積:懐中電灯(a)が壁(方向b)に沿って落とす影の長さのようなもの——向きが揃うほど大きく、直角で0、逆向きだと負になります。外積:ドアを押すと軸が垂直に立ち上がるように、aとbが張る平面から真上に突き出す矢印で、長さは2つのベクトルが張る平行四辺形の面積に等しくなります。
どう作られるか
内積は対応する成分同士をかけて足します:a₁b₁+a₂b₂+a₃b₃、これは|a||b|cosθに等しく、コサインが「揃い具合」を表します。外積の大きさは|a||b|sinθで「垂直な成分」を表し、その向きは右手の法則(右手の指をaからbへ曲げると、親指がa×bの向きを指す)に従います。
例
a=(1,0,0)、b=(0,1,0)の場合:a・b = 1・0+0・1+0・0 = 0(垂直なので0)。外積は(0,0,1)——xともyとも垂直なz軸で、大きさは|a||b|sin90°=1です。2次元の内積の例:(3,4)・(2,1) = 6+4 = 10。
よくある誤解
この2つは混同しやすいですが、内積の結果は向きのない数(スカラー)、外積の結果は矢印(ベクトル)です。また、内積が0なら「垂直」、外積が0なら「平行(揃っている)」を意味します。これらは逆の条件であることに注意してください。
どこで使うか
内積:仕事(力・距離)、射影と類似度(検索やレコメンドでのコサイン類似度)、照明の明るさ。外積:トルクと角運動量、法線ベクトル(3Dグラフィックスでの面の向き)、磁力F=qv×B——物理学とコンピュータグラフィックスの土台です。
どこから来たか
この発想は1800年代のハミルトンの四元数から芽生え、ギブスとヘヴィサイドが整理して、現在のベクトルの内積と外積という分離した形になりました。
前提概念
確認問題
(1,2,3)・(4,0,0)はいくつですか?
- 4✓
- 6
- 0
- 9
練習
内積(3,4)・(1,2)を計算しなさい。
答え: 11
- 対応する成分をかけて足す:3・1 + 4・2
- = 3 + 8 = 11
ポイント: 内積=成分ごとの積の和。結果は一つの数です。
内積(2,0,0)・(0,5,0)を計算しなさい。その結果は幾何学的に何を意味しますか?
答え: 0
- 2・0 + 0・5 + 0・0 = 0
- 内積が0 → 2つのベクトルは垂直
ポイント: 内積0=垂直。x軸とy軸は直角なので内積は0です。
|a|=2、|b|=3で直角(θ=90°)のとき、外積の大きさ|a×b|を求めなさい。
答え: 6
- |a×b| = |a||b|sinθ = 2・3・sin90°
- sin90°=1 → 2・3・1 = 6
ポイント: 外積の大きさ=2つのベクトルが張る平行四辺形の面積です。
cosθとsinθを使って、なぜ内積0が「垂直」を、外積0が「平行」を意味するのか説明しなさい。
答え: undefined
- 内積=|a||b|cosθ;θ=90°ではcos90°=0 → 内積は0(垂直)
- 外積の大きさ=|a||b|sinθ;θ=0°ではsin0°=0 → 外積は0(平行)
- コサインは「揃い具合」を、サインは「広がり」を測る——逆の条件です
ポイント: 内積はcos(揃い具合)、外積はsin(垂直成分)を使う——ゼロになる条件は正反対です。