微積分学の基本定理
“微分と積分は互いを打ち消し合う一対です。”
数式
d/dx ∫ₐˣ f(t) dt = f(x)読み方: ここまでの面積の関数を微分すると元の関数に戻る——積分と微分は互いの逆演算
- ∫ₐˣ f(t) dt
- — aからxまで積み上がった面積(累積関数)
- d/dx
- — その面積関数を微分する
- f(x)
- — すると元の関数に戻ってくる
きっかけ
別々に育った2つのアイデア——切り分けること(微分)と積み上げること(積分)——が、実は互いを打ち消し合う対だったのです。これが微積分学の大発見です。
やさしく言うと
aからxまで面積を積み上げてきた関数を微分すると、元の関数f(x)がそのまま出てきます。微分と積分は互いの逆演算です。
直感
バケツに水を注ぐことを想像してください。これまで溜まった量(積分、累積)を時間で微分すると、今この瞬間の注ぐ速さ(元の関数)が出てきます。積み上がった総量の変化率=現在の値、というわけです。
どう作られるか
2つの部分からなります——①面積の累積関数を微分するとfに戻る、②だから定積分はF(b)−F(a)として計算できる。微分が与えてくれる原始関数が、積分を解く鍵になります。
例
F(x)=∫₀ˣ t dtは底x、高さxの三角形の面積なので、x²/2です。これを微分すると:d/dx(x²/2)=xで、ちょうど元の関数f(t)=tに戻ります。
よくある誤解
微分と積分は「まったく別々の手続き」だと思われがちです。実際には足し算と引き算のように互いを打ち消し合う——逆演算なのです。
どこで使うか
この定理のおかげで面積を永遠に足し続ける必要はなく、1つの原始関数を見つければ定積分が求まります——実用的な微積分の心臓部です。
どこから来たか
バロー(ニュートンの師)のような先人たちが断片的には知っていましたが、微分と積分を1つの定理に結びつけたのはニュートンとライプニッツの仕事でした。
前提概念
確認問題
微積分学の基本定理はどの2つの演算を結びつけますか?
- 足し算とかけ算
- 微分と積分✓
- 極限と連続性
- 積と商
練習
g(x)=∫₀ˣ t² dtについて、定理を使ってg'(3)を求めなさい。
答え: 9
- 定理より:g'(x)=x²
- x=3を代入 → 9
ポイント: 累積関数を微分すると、中の関数がそのまま出てきます。
定理を使って∫₀⁴ 2t dtを求めなさい。
答え: 16
- 原始関数:t²
- [t²]₀⁴ = 16 − 0 = 16
ポイント: 原始関数を見つければ、面積は1回の引き算で求まります。
d/dx ∫₁ˣ (t³+1) dtは何ですか?理由を一行で書きなさい。
答え: undefined
- 定理より、= x³+1
- ここまでの面積を微分すると、今まさに注がれている値が出てくるから
ポイント: 下限(1)は微分に影響せず、上限xだけが関係します。