群——対称性の言語
“群とは元に戻せる操作の集まり——まさに対称性の言語です。”
数式
(G, ∗): ① a∗b ∈ G ② (a∗b)∗c = a∗(b∗c) ③ a∗e = e∗a = a ④ a∗a⁻¹ = e読み方: 演算∗を持つ集合Gが群であるためには、閉性、結合律、単位元、逆元を満たす必要がある
- a∗b ∈ G
- — 2つの元を組み合わせてもGの中に留まる
- (a∗b)∗c = a∗(b∗c)
- — 演算をどうグループ分けしても結果が変わらない
- a∗e = e∗a = a
- — 他を変えない元e(0や1のような)
- a∗a⁻¹ = e
- — aを単位元に戻す相棒
きっかけ
整数の足し算、時計の計算、立方体の回転、ルービックキューブ——まったく違うものが1つの骨格を共有しています。その骨格が「群」です。
やさしく言うと
群とは集合と演算の組で、演算が4つの規則に従うものです:(1)結果が外に漏れない(閉性)、(2)グループ分けは関係ない(結合律)、(3)何もしない単位元がある、(4)すべての元にそれを打ち消す逆元がある。
直感
群とは対称性の言語です。正方形を90°ずつ回転させる4つの操作を考えてください——どれを組み合わせても4つのうちのどれかになり(閉性)、何もしないことが単位元、逆方向に回すことが逆元です。この「元に戻せる操作の集まり」が群です。物体の見た目を変えないすべての操作は群をなします。
どう作られるか
4つの公理がその構成要素です。閉性は「系の中に留まること」、単位元は「基準点」、逆元は「元に戻すこと」、結合律は「順序を気にせず連鎖できること」を与えます。この最小限の規則が驚くほど豊かな構造を生み出します。注意:可換性(a∗b=b∗a)は必要ありません。
例
足し算の下の整数(ℤ,+):2つの整数を足すと整数になり(閉性)、0が単位元、nの逆元は−n、結合律も成り立つ——だから群です。mod 4の足し算の下の時計の計算{0,1,2,3}も群です:3+3=6≡2は中に留まり、各元には相棒があります。
よくある誤解
群は可換(a∗b=b∗a)である必要はありません。例えば3次元の回転、行列のかけ算、ルービックキューブの操作は順序を入れ替えると結果が変わりますが、それでも立派な群です。
どこで使うか
結晶の対称性(結晶学)、素粒子の分類(標準模型)、誤り訂正符号やRSA・楕円曲線暗号、ルービックキューブを解くこと、方程式がべき根で解けるかの判定——群は対称性と構造があるところならどこにでも潜んでいます。
どこから来たか
20歳のエヴァリスト・ガロアは1830年代、5次以上の方程式がなぜべき根で解けないのかを説明するために群を発明しました。決闘の前夜にこの理論を書き殴り、翌日命を落としました。
前提概念
確認問題
群(ℤ,+)において、元5の逆元は何ですか?
- 5
- −5✓
- 0
- 1/5
練習
群(ℤ,+)の単位元は何ですか?(数で答えなさい)
答え: 0
- 単位元eはa+e=aを満たす
- a+0=aなので、e=0
ポイント: 加法群では単位元は0、乗法群では1です。
正方形の回転{0°, 90°, 180°, 270°}は合成のもとで群をなします。元の個数はいくつですか?
答え: 4
- 異なる回転が4つある
- だから位数(元の個数)は4
ポイント: 群の位数とはその元の個数のことです。
群Z₅(mod 5の足し算)において、元2の逆元を求めなさい。
答え: 3
- 2 + x ≡ 0 (mod 5)を満たすxを探す
- 2 + 3 = 5 ≡ 0なので、逆元は3
ポイント: mod nの足し算では、aの逆元はn−aです。
奇数の整数全体が足し算のもとで群をなすかどうかを判定し、理由を書きなさい。
答え: undefined
- 奇数+奇数=偶数 → 結果が外に漏れる(閉性が破れる)
- 単位元0(偶数)も集合の中にない
- したがって群ではない
ポイント: 1つでも公理が破れれば群ではありません——まず閉性を確認しましょう。