行列
“行列の積は「左の行」と「右の列」を対にして足し合わせる。”
数式
(AB)ᵢⱼ = Σₖ aᵢₖ bₖⱼ読み方: 行列の積の各成分は、左の行列の行iと右の行列の列jを掛け合わせてから足したもの
- A, B
- — 行列——数を長方形に並べたもの
- (AB)ᵢⱼ
- — 積ABの第i行第j列の成分
- aᵢₖ, bₖⱼ
- — Aの第i行とBの第j列のうち、対にされる成分
きっかけ
行列はただ数を箱に並べただけのものですが、たった一つの掛け算のルールで回転も変換も連立方程式も一度に扱えるようになります。
やさしく言うと
行列は数を行と列に並べたものです。2つの行列を掛けるには、「左の行」と「右の列」を対にして、掛けて足し合わせます。
直感
足し算とスカラー倍は簡単です——対応する位置を扱うだけです。掛け算は特別で、左の行列の行が右の行列の列に「乗る」ようにして、成分どうしを掛けて合計します。この規則のおかげで、多数の方程式を一度に変換できます。
どう作られるか
成分aᵢⱼは第i行第j列を意味します。ABの(i,j)成分は、Aの第i行とBの第j列のすべての成分を順に掛けて合計したものです。したがって積が存在するには、左の行列の列数が右の行列の行数と一致していなければなりません。
例
[[1,2],[3,4]]×[[5,6],[7,8]]、成分(1,1) = (1·5)+(2·7) = 5+14 = 19。他も同様に計算すると[[19,22],[43,50]]になります。
よくある誤解
ABとBAは普通異なります——行列の掛け算は交換法則が成り立ちません。順序を入れ替えると結果が変わったり、そもそも積が定義できなかったりします。
どこで使うか
コンピュータグラフィックスでの回転や拡大縮小、連立方程式の求解、統計におけるデータ変換、ニューラルネットワーク内部の計算——多数の数をまとめて変換するほとんどの場面で使われます。
どこから来たか
ケイリーが1800年代に行列を体系化しました。「行列(matrix)」という名前は「子宮」を意味するラテン語に由来し、そこから他のものが生まれる場所を表しています。
前提概念
確認問題
行列Aに単位行列Iを掛けると何が得られますか?
- 零行列
- 変化しないA✓
- Aの転置
- 常にI
練習
[[2,1],[0,3]] + [[1,4],[5,2]]の(1,2)成分を求めなさい。
答え: 5
- 足し算は成分ごとに行う
- (1,2)成分:1 + 4 = 5
ポイント: 行列の足し算は対応する位置どうしを足す。
3 × [[1,−2],[0,4]](スカラー倍)の(2,2)成分を求めなさい。
答え: 12
- スカラー倍はすべての成分に掛ける
- (2,2)成分:3·4 = 12
ポイント: スカラーはすべてのマスに均等に掛かる。
[[1,2],[3,4]] × [[0,1],[1,0]]の(2,2)成分を求めなさい。
答え: 3
- 第2行(3,4)と第2列(1,0)を対にする
- 3·1 + 4·0 = 3
ポイント: 積は行と列を成分ごとに掛けて合計する。
A=[[1,0],[0,0]]、B=[[0,1],[0,0]]について、ABとBAを計算し、両者が異なることを示しなさい。
答え: undefined
- AB = [[0,1],[0,0]]
- BA = [[0,0],[0,0]]
- AB ≠ BA——積の順序が結果を左右する
ポイント: 行列の積は順序を入れ替えると結果が変わる。