命題:真か偽か
“命題とその対偶は一緒に動く — 逆はそうではない。”
数式
(p → q) ≡ (~q → ~p)読み方: 『pならばq』とその対偶『qでないならpでない』は、常に真偽が一致する
- p → q
- — 『pならばq』— 条件文(元の命題)
- ~p
- — pの否定 —『pでない』
- ≡
- — 2つの命題は常に同じ真偽を持つ
きっかけ
数学における『命題』とは、感想でも意見でもなく、はっきりと真か偽かが決まる文だけを指す。
やさしく言うと
命題とは、真か偽かを明確に判定できる文のこと。『pならばq』のような条件文は、その対偶と常に同じ真偽を持つ。
直感
『雨が降れば地面が濡れる』が真なら、その逆から言い換えた『地面が濡れていなければ雨は降っていない』も必ず真になる。同じ事実を反対側から述べただけなので、真偽はいつも一緒についてくる。
どう作られるか
命題はちょうど2つの値、真か偽のどちらかを取る。否定(~)はその値を反転させる。条件文『p→q』でpとqをどちらも否定して向きを逆にすると対偶『~q→~p』が得られ、元の命題とその対偶は常に真偽が一致する。
例
『x=2ならばx²=4』は真。その対偶『x²≠4ならばx≠2』も真。しかし逆『x²=4ならばx=2』は偽で、x=−2が反例になる。
よくある誤解
ある命題が真だからといって、その逆も真になるとは限らない。『x=2 → x²=4』は真だが、逆『x²=4 → x=2』は偽(x=−2)。真偽をともにするのは対偶であって逆ではない。
どこで使うか
数学のあらゆる証明や論証、プログラムの条件分岐(if)、法律や契約書の条文の読み取り — 『真か偽か』を見極めるあらゆる場面。
どこから来たか
命題を真偽の対象として厳密に扱う論理学はアリストテレスまでさかのぼり、1800年代にブールが代数のように計算できる形へと作り直した。
前提概念
確認問題
次のうち『命題』であるものはどれ?
- 3は偶数である✓
- この絵は美しい
- 窓を閉めなさい
- x+1
練習
次のうち、真か偽かを判定できる『命題』はどれ?
答え: 0
- 命題 = 真偽がはっきり決まる文
- 『7は素数である』は真である命題
- 意見・疑問文・単語だけでは真偽を判定できないので、命題ではない
ポイント: 命題は真偽を判定できるものでなければならない — 意見・命令・疑問は対象外。
命題『5は3より大きい』は真か偽か?その否定をノートに書いてみよう。
答え: undefined
- 『5は3より大きい』は真
- 否定:『5は3より大きくない』→ つまり『5 ≤ 3』、これは偽
- 否定は元の命題の真偽を反転させる
ポイント: 否定は真を偽に、偽を真に変える。
『正三角形ならば二等辺三角形である』という命題は真である。次のうち必ず真であるものはどれ?
答え: 1
- 元の命題が真なら、その対偶も必ず真
- 対偶:『二等辺三角形でないならば正三角形でない』→ 真
- 逆『二等辺三角形ならば正三角形』は偽になりうる
ポイント: 真偽が保証されているのは対偶だけ — 逆は別に確かめる必要がある。
『x²=9ならばx=3』は真か?もし偽なら反例をノートに書いてみよう。
答え: undefined
- x²=9ならばx=3またはx=−3
- x=−3はx²=9を満たすがx≠3 → 反例が存在する
- よってこの命題は偽
ポイント: 反例が1つあれば、それだけで命題は成り立たなくなる。