シグマ記号と数列の和
“シグマは一文字の命令:『順に全部足せ』。”
数式
Σₖ₌₁ⁿ k = n(n+1)/2読み方: 1からnまでのすべての整数を足すとn(n+1)/2になる
- Σ
- — シグマ — 『すべて足し合わせる』という意味の記号
- k
- — 動く変数(1, 2, 3, …と進んでいく)
- n
- — 上限 — どこまで和をとるか
きっかけ
1+2+3+…+100を1つずつ足す必要はない — シグマ記号とたったひとつの公式で一行で終わる。
やさしく言うと
Σは『下の値から上の値まで代入して、すべて足せ』という命令。Σₖ₌₁ⁿ kは1からnまでの和。
直感
1からnまでを順方向と逆方向に2列並べると、どの組も和は(n+1)になる。そんな組がn個あるので、合計の2倍はn(n+1)、和はn(n+1)/2。この『重ねてペアにする』という見方そのものが公式の正体。
どう作られるか
Σの下にk=1が開始点、上にnが終点、後ろの式が『何を足すか』。定番の3つの和がある — Σk=n(n+1)/2、Σk²=n(n+1)(2n+1)/6、Σc=cn(定数をn回足す)。
例
1から10まで:Σₖ₌₁¹⁰ k = 10·11/2 = 55。実際、(1+10)+(2+9)+… = 11が5組で55。ちゃんと合う。
よくある誤解
Σ(k+1)はΣk + 1ではない。定数1もn回足されるので、Σk + nになる。シグマの中の各項がn回繰り返されることを忘れやすい。
どこで使うか
平均や分散、等差数列・等比数列の和、コンピュータでの繰り返し足し算、積分の種(面積を細かく切って足す) — 『たくさんのものを足し合わせる』あらゆる場面に。
どこから来たか
和の記号Σはギリシャ文字シグマ(『sum』のS)で、オイラーが広く使ったことで標準になった。
前提概念
確認問題
Σₖ₌₁⁵ kはいくつ?
- 10
- 15✓
- 25
- 30
練習
1から100までの和、Σₖ₌₁¹⁰⁰ kを求めよう。
答え: 5050
- 公式n(n+1)/2にn=100を代入
- 100·101/2 = 10100/2 = 5050
ポイント: 端どうしをペアにするガウスのテクニック。
Σₖ₌₁⁴ 3(定数3を4回足す)を求めよう。
答え: 12
- 定数の和:Σc = cn
- 3·4 = 12
ポイント: 定数は項ごとに1回ずつ足される。
Σₖ₌₁⁵ k²、つまり1²+2²+3²+4²+5²を求めよう。
答え: 55
- 公式n(n+1)(2n+1)/6にn=5を代入
- 5·6·11/6 = 330/6 = 55
ポイント: 平方の和には専用の公式がある。
1から20までの和、Σₖ₌₁²⁰ kを求めよう。
答え: undefined
- n=20を代入
- 20·21/2 = 420/2 = 210
ポイント: 項がいくつあっても、ひとつの公式で一発で求まる。