散らばり:分散と標準偏差
“標準偏差とは『平均からどれくらい離れているか、平均して』。”
数式
σ² = { (x₁−x̄)² + ⋯ + (xₙ−x̄)² } / n読み方: 分散とは、各値の平均からの偏差を2乗して平均したもの。その平方根が標準偏差である
- xᵢ − x̄
- — 偏差——ある値が平均からどれだけ離れているか
- (xᵢ − x̄)²
- — 偏差の2乗(2乗すると符号が消える)
- σ²
- — 分散——偏差の2乗の平均
- σ
- — 標準偏差——分散の(正の)平方根
きっかけ
2つのデータ群は平均が同じでも『どれくらい散らばっているか』はまったく違うことがあります——分散と標準偏差はその散らばりを測る物差しです。
やさしく言うと
各値の平均からの偏差を2乗して平均したものが分散、その平方根が標準偏差です。
直感
平均は的の中心、標準偏差は矢が中心から平均してどれだけ外れて刺さるか。小さければ中心に固まり、大きければ広く散らばっています。
どう作られるか
①平均を求める、②各偏差(値-平均)を求める、③偏差はそのまま足すと0になるので、2乗して符号を消してから平均する→分散、④2乗して単位が膨らんだ分、平方根を取って元に戻す→標準偏差。
例
データ 3, 4, 5, 6, 7 → 平均5。偏差は −2, −1, 0, 1, 2。2乗すると 4, 1, 0, 1, 4 で合計10。分散=10/5=2、標準偏差=√2≈1.41。
よくある誤解
偏差をそのまま平均すると必ず0になるので、散らばりは測れません——だから2乗するのです。また分散は2乗の単位(例:点²)なので、元の単位で語るには標準偏差を使います。
どこで使うか
テストの点数のばらつき、製品の品質の安定度、投資リスク(ボラティリティ)——『平均だけでは見えない安定性』を測るときに。
どこから来たか
標準偏差という名称と記号は1800年代後半、カール・ピアソンによるもの。散らばりを一つの数値でとらえるこの道具は、現代統計学の柱の一つになりました。
前提概念
確認問題
あるデータの分散が9のとき、標準偏差はいくつ?
- 3✓
- 4.5
- 9
- 81
練習
データ 4, 4, 4, 4 の分散はいくつ?
答え: 0
- どの値も平均4に等しい
- すべての偏差が0→分散0
ポイント: すべての値が等しければ散らばりはなく、分散は0になる。
データ 2, 4, 6, 8, 10 の分散はいくつ?
答え: 8
- 平均=30/5=6
- 偏差 −4, −2, 0, 2, 4。2乗すると 16, 4, 0, 4, 16 で合計40
- 40 / 5 = 8
ポイント: 平均→偏差→2乗→平均、の順番で。
データ 1, 2, 3, 4, 5 の分散と標準偏差を求めよ。
答え: undefined
- 平均=3
- 偏差 −2, −1, 0, 1, 2。2乗の合計は10
- 分散=10/5=2、標準偏差=√2≈1.41
ポイント: 標準偏差は分散の平方根で、元の単位を取り戻したもの。