中心極限定理
“中心極限定理:何であれ十分な数を足し合わせれば釣鐘型になる。”
数式
(x̄ₙ − μ) / (σ/√n) → N(0, 1) (n → ∞)読み方: 元の分布がどんな形でも、大きな標本の平均は正規分布(釣鐘型)に近づく分布に従う
- x̄ₙ
- — サイズnの標本の平均
- μ
- — 元の分布の平均
- σ/√n
- — 標本平均の標準誤差——そのゆらぎの大きさ
- N(0,1)
- — 標準正規分布(平均0、標準偏差1の釣鐘型)
きっかけ
サイコロ1個は平らな分布だが、サイコロ10個の合計は釣鐘型になる。世界が釣鐘曲線であふれている理由がここにある。
やさしく言うと
中心極限定理とは、元の分布の形が平らでも歪んでいても、多くの独立な標本を集めてその平均(または合計)を取ると、その平均の分布は正規分布(釣鐘型)に近づくという定理です。
直感
小さく独立なランダムな効果をたくさん足し合わせると、極端な結果(全部大きい、全部小さい)は稀で、真ん中(プラスとマイナスが打ち消し合う)はよくあることになります。だから結果は真ん中が盛り上がった釣鐘型になります。それぞれの原因がどんな形をしていても関係ありません——十分な数を足せば釣鐘が現れます。身長や測定誤差、サイコロの合計がみな釣鐘型になるのはこのためです。
どう作られるか
2つの要素があります——中心μと広がりσ/√n。標本平均は真の平均μの周りに集まり(大数の法則)、その集まりの幅が標準誤差σ/√nです。nが大きくなるほど幅は狭まり、形は滑らかな正規曲線に収束します。この定理は分布の中心の位置だけでなく、分布の形についての定理です。
例
サイコロ1個は平らな分布——1から6が等確率(平均3.5)です。しかしサイコロ10個を振って合計すると、その合計は35の周りに釣鐘型に集まります。平らな入力が釣鐘型の出力を生みます。
よくある誤解
この定理は標本平均(または合計)の分布についてのものであり、生データそのものではありません。元のデータはどれだけ歪んでいても構いません——釣鐘型になるのは多数の値の平均の分布であって、データそのものではありません。
どこで使うか
統計学のいたるところに正規分布が現れる根本的な理由、世論調査の誤差範囲、信頼区間、品質管理の管理図、A/Bテスト、測定誤差の分析——標本からの推測のほぼすべてがこの定理に支えられています。
どこから来たか
ド・モアブルが1733年にコイン投げでこれを最初に発見し、ラプラスが一般化し、リアプノフとリンデベルグが20世紀初頭に厳密化しました。「中心」とは「中心的に重要」という意味です。
前提概念
確認問題
中心極限定理によれば、多くの独立な変数の標本平均の分布はどの分布に近づきますか?
- 一様分布(平ら)
- 正規分布(釣鐘型)✓
- 歪んだ分布
- 二項分布
練習
標準偏差σ=10、標本サイズn=100のとき、標本平均の標準誤差σ/√nを求めなさい。
答え: 1
- √n = √100 = 10
- σ/√n = 10/10 = 1
ポイント: 標本が大きいほど、平均のゆらぎσ/√nは小さくなる。
σ=20、n=4のとき、標準誤差σ/√nを求めなさい。
答え: 10
- √n = √4 = 2
- σ/√n = 20/2 = 10
ポイント: 標準誤差は√nに反比例する。
標本サイズnを4倍にすると、平均の標準誤差は何倍に縮まりますか?
答え: 2
- 標準誤差はσ/√n
- nを4倍にすると√nは2倍になる→誤差は半分(2分の1)になる
ポイント: 精度を2倍にするには、標本を4倍にする必要がある。
中心極限定理を使って、身長や測定誤差のような多くの自然な量が釣鐘型になる理由を説明しなさい。
答え: undefined
- そうした値は多数の小さく独立な要因の和であることが多い
- 小さな効果をたくさん足し合わせると、CLTにより正規分布に近づく
- だから原因が何であれ、結果は釣鐘型になる
ポイント: 多くの小さな原因を足し合わせると釣鐘型になる——それがCLTのメッセージ。