可算無限
“可算無限は「番号を振れる無限」であり、実数は番号すら振れないより大きな無限です。”
数式
|ℕ| = |ℤ| = |ℚ| = ℵ₀ < |ℝ|読み方: 自然数・整数・有理数はすべて1,2,3,…と番号を振れるので同じ大きさℵ₀の無限だが、実数はそれより大きな無限である
- ℵ₀
- — アレフゼロ——最小の無限、「可算」無限の大きさ
- ℕ
- — 自然数の集合——可算無限の基準
- ℝ
- — 実数の集合——非可算な(より大きな)無限
きっかけ
無限はすべて等しく無限だと思うかもしれませんが、そうではありません。可算無限と非可算無限——無限には大きさの違いが存在します。
やさしく言うと
無限集合の要素を1,2,3,…と一つも漏らさず番号付けできるなら、それは「可算無限」です。自然数・整数・有理数はすべて当てはまります。ところが実数は原理的にそうやって番号を振ることができません——実数はより大きな無限です。
直感
2つの無限が「同じ大きさ」であるとは、一対一に過不足なく対応づけられる(全単射がある)ことです。ヒルベルトのホテルを思い浮かべてみましょう——部屋は無限にあり、すべて満室です。それでも新しい客が来たら、全員を一つ隣の部屋へ移せば(n→n+1)、1号室が空きます。「満室の無限」にもまだ余地があるのです!このような対応がつけられれば、それらは同じ無限です。
どう作られるか
偶数だけでも自然数と同じ大きさで対応します:n↔2nがぴったり対応をつけます(部分が全体と等しい——無限のパラドックス)。整数も0,1,−1,2,−2,…と並べて番号を振れます。有理数さえも表を対角線にたどることで数え上げられます。一方、実数はカントールの「対角線論法」によって非可算であると証明されています。
例
すべての実数を並べたとします——0.a₁a₂a₃…、0.b₁b₂b₃…、…。ここで対角線上の各桁(1番目の数の1桁目、2番目の数の2桁目、…)を別の値に変えて新しい数を作ります。この数はリストのどの数とも少なくとも1桁で異なるので、リストには含まれていません——どんなリストもすべての実数を尽くせません。よって|ℝ| > ℵ₀です。
よくある誤解
よくある誤解は「無限+1=無限だから、無限はすべて等しい」というものです。足し算では大きくなりませんが、実数のような「異なる階級」の無限は決して自然数と一対一に対応づけられません。無限には本物の階層があるのです。
どこで使うか
アルゴリズムがどの問題を解けるか(計算可能性)、ほとんどの実数が「名付けられない」という事実、確率論で「ほぼすべて」の数が無理数であること、論理学における無限の階層など、現代数学と計算機科学の要をなします。
どこから来たか
1874年、ゲオルク・カントールが「無限には大きさがある」ことを証明し、集合論を創始しました。当時は異端視されましたが、ヒルベルトが「誰もわれわれをカントールが創った楽園から追い出すことはできない」と擁護しました。
前提概念
確認問題
次のうち「非可算な」(より大きな)無限集合はどれですか?
- すべての整数
- すべての偶数
- すべての有理数
- すべての実数✓
練習
ヒルベルトのホテルには無限に部屋があり、すべて満室です。新しい客が一人来たとき、部屋を空けるには客たちはどう移動すればよいですか?
答え: 3
- 各客をn号室からn+1号室へ移す
- これで1号室が新しい客のために空く
- 満室の無限でも部屋を作れる
ポイント: 可算無限は「全員を一つずつずらす」ことで新しい席を作ります——無限のパラドックスです。
自然数と偶数の一対一対応n ↔ 2nにおいて、n=7の相手は何ですか?
答え: 14
- 規則はn ↔ 2n
- 7 ↔ 2・7 = 14
ポイント: 部分集合(偶数)が全体(自然数)と同じ大きさになる——無限だからこそ可能なことです。
すべての有理数の集合は「可算」無限ですか?
答え: 0
- 分数を表に並べ、ジグザグに対角線をたどって1,2,3,…と番号を振る
- 重複(約分できる分数)を飛ばせば一つも漏れない
- したがって有理数は可算で、大きさℵ₀
ポイント: 有理数は密集して見えても番号を振れる——自然数と同じ大きさです。
カントールの対角線論法がなぜ実数の非可算性を証明するのか、ノートに説明しなさい。
答え: undefined
- すべての実数を並べたと仮定する(完全なリストを作る)
- 対角線上の各桁を別の値に変えて新しい実数を作る
- この数はn番目にある数とn桁目で異なるので、どれとも一致しない → リストに含まれない
- 矛盾 → どんなリストもすべての実数を尽くせない(非可算)
ポイント: 対角線論法:「完全なリスト」を仮定すれば、必ず抜けている数を作れる → |ℝ| > ℵ₀。